
剪定の種類
- 透かし剪定、混み合った枝は元から抜く(切る)。
忌み枝は外す。
対生の枝は互生にする。
小枝の先端はなるべくいじらない。
自然樹形を維持しながら行う。 - 切戻し 伸びた枝を枝元から外すのではなく脇芽を残し短く切り詰めること。
大きさを留めておくために用いられる。
また、樹勢を回復させるためにも行う。 - 切返し 伸びた枝の途中で切ること。
切ることにより樹勢強化や予備枝を設けるのに使用する(何年も放置の樹木剪定に応用)。 - 枝抜き、間引き 不要になった邪魔な枝を切って除く。
- 吹かし直し 像形仕立ての造り直しに行なう。
春(3月~4月頃)に常緑広葉樹などで主枝を短く切り詰め
または 主枝を全て元から切り外して芽を吹かし直すこと。 - 刈り込み 生垣などの形を整えるために枝葉を切りそろえること。
枝を選別して切る作業ではないため、剪定とは区別することもある。
薫樹の剪定
- 自分が行なう剪定は 切り戻し剪定と枝抜き、間引き(透かし)剪定です。
- 長い徒長枝を途中で切るのではなく枝をすべて元から外します。
- 切返し剪定は通常、施主様の強い要望がない限り樹形を乱すのでなるべくは行ないません。
- 伸びた枝の途中で切ると、その時は格好になりますが骨格が崩れ 後に倍以上の枝が増えて自然らしさが損なわれます。
切る時期によっては木にとっても良くはありません。
*施主様の強い要望で仕方なく行なう場合もあります。
忌み枝
- 徒長枝、絡み枝、平行枝、逆さ枝、内向枝、たち枝、ヤゴ、ヒコバエ等
周りの枝の妨げになるためや生育にもよくないので残すのではなく外します。
刈り込み
- 刈り込みものは小枝を蜜にするためには浅く刈り込みますが
低く抑えるためには浅くではなく深く刈り込みます。 - ただ年1回の秋から冬の刈り込みでは常緑樹は深く(強く)刈り込めませんので、樹形を小さくするときは春~初夏(花咲いた後)までに行なわないといけません。
- 刈り込みにかかわらず剪定でも常緑樹の強剪定は春から初夏
- 落葉樹は春から初夏ではなく晩秋から冬です。
黒松の剪定
芽つみ(ミドリつみ)
春の作業で 新芽が伸びてきて
さらに 新しい緑色の松葉が数ミリ顔を覗かせたら時期です。
指で折る。松葉が伸びすぎると鋏をつかうようになります。
真ん中の一番長く伸びた芽は元から折ります。
次に 両脇にある芽は松葉の部分を1~2CM残し
その他 先の部分を折ります。
残された部分(葉のない部分+松葉の部分)が今年の小枝になります。
そのため 長さの調整は臨機応変に。
さらに 小さい芽はそのまま残す。
葉性が長くて格好が悪い松だなぁという方は
根を切るとその年の成長を抑えることができます。
よって 葉性は前の年より短くなります。
面倒だという方には 芽切りがおすすめです。
芽切り
短葉法と呼ばれ 葉性を短くするための剪定法です。
春の成長期から真夏の成長スピードが弱まる時期を
活用した技法
初夏の作業で 新芽が開きはじめ
6月中旬~7月上旬頃が時期です(地域差有り)。
すべての伸びた新芽を鋏で切り外します。
はじめに 去年の葉の上で節となる(新芽との境)ところに鋏を入れ
次に 枝に対して直角に切ります。
強く伸びた新芽は節を長めに残して(5~10mm)切る。
一方で 伸びの弱い新芽は節を短めにして(2~3mm)切る。
または 切る時期をずらす。
短い弱い新芽を先に切り外し 4~5日後に長い新芽を切り外す。
もみ上げ・古葉むしり
秋から冬の時期に去年の古い葉全てむしり
さらに 今年の葉の下側をもみあげます。
ご自分で剪定する場合の枝の外す(切る)位置
- コジット(CODIT)論に基づき行なうのがお勧めです。
- *CODIT論とは、アメリカのAlex L. Shigoという人が提唱したCompartmentalization of Decay In Treeの頭文字をとって名付けられた、樹木の防衛層(壁)に関する理論です。 俗に「バークリッジ剪定法」とも言います。
- 自分もいつも心がけていることなのですが
切り方が重要なのではなく切る位置がとても重要です。
木の枝別れ目には上の部分にはシワ(ブランチバークリッジ)
また下の部分には膨らみ(ブランチカラー)があるのですが
そのシワと膨らみを切るのではなく残します。
そこを傷つけるとカルスが巻けず腐朽菌が入りやすい。
またシワと膨らみから離れすぎたところで切ってもカルスが覆えず枯れこみやすい。
切る位置は切り枝の元ではなくシワと膨らみに触れないところがカルスが巻きやすい場所です。
シワと膨らみを確認しながら剪定すると楽しくなります。 - ヤバイなぁと感じたら癒合剤を切り口に塗布してあげましょう。
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